シルク・ドゥ・ソレイユ 「クリス・エンジェル・ビリーヴ」

眠らないラスベガス。巨大ホテルが建ち並ぶこの街は、各ホテルがショーの劇場を持ち、毎日、一流のショーを開催しております。

そんな数あるショーの中で、シルク・ドゥ・ソレイユの「クリス・エンジェル・ビリーヴ」を紹介します。

シルク・ドゥ・ソレイユは、1984年にカナダで設立されたエンターテイメント集団で、サーカス、大道芸、ダンス、音楽など様々な要素を取り入れ、斬新な衣装を身にまとったキャストたちが、人間業とは思えないような動きとパフォーマンで観客を別世界に連れて行ってくれます!

日本でも定期的に公演が行われ、古くは「サルティンバンコ」や「アレグリア」、現在は「オーヴォ」が上演されいるのでご存知の方も多いと思います!

そして、一口にシルク・ドゥ・ソレイユと言っても、
ラスベガスでは、複数のホテルでいくつものショーが開催されており、
それぞれの作品にはテーマが定められていて、そのどれもが全く違ったショーになっております!

ここで紹介する「クリス・エンジェル・ビリーヴ」は、シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスとアメリカで有名なマジシャン、クリス・エンジェルのマジックが融合されたショーです。

私も2008年にこの「クリス・エンジェル・ビリーヴ」を観て来たのですが、その時の感想を正直にお伝えします……。

この作品、公演初日は2008年10月31日なんですが、私が観たのは10月9日でプレビュー公演の時です。

まず、座席は前から4列目だったんですが、ステージに向かってかなり左の方でちょっと見えにくい感じでした。

開演時間の15分ほど前になると4人のピエロが客席に現れて、ポップコーンをバラ撒いたり、客の手を引いてステージに上げたりしてお客さんを笑わせて、この辺の演出は「ミスティア」と同じような感じ。

そして、上演が開始されステージにクリス・エンジェルが登場すると、
女の子の黄色い歓声が響き渡りました!

私、クリス・エンジェルの事はほとんど知らないんですが、 マジック界の王子様的存在みたいな感じなんですかね……。

でも何だかこれ、シルク・ドゥ・ソレイユのショーというよりは、 彼のコンサートにでも来たような気分に……。

そして、ステージの上でクリスによる「人体切断」や「壁登り」、「瞬間移動」などなど、 様々なマジックが目の前で披露されていくんですが、正直なんだかイマイチなんです。

披露されていくマジックの内容は、日本でも有名なセロとかプリンセス・テンコーとかがやっていたものばかりだし、 何よりも、「これはシルク・ドゥ・ソレイユなのか?!?!」という疑問が頭の中に……。

シルク・ドゥ・ソレイユならではのサーカス的なパフォーマンスは一切全く無くて、 マジックをしているクリスのバックで、ウサギのお面を被ったダンサーたちが踊っている……というだけなんです。

まあ、バックで踊っているだけではなく、クリスと絡んだりする部分もあるんですが、何だかパッとしないんですよね。

しかも私の席からは、光の加減や角度のせいかマジックのタネがいくつも見えちゃって驚きがゼロ。

あとは、この作品ちょっとグロイ部分が多いんです。 演出でクリスがマジックに失敗する部分があるんですが、そこで、顔面が焼け爛れたクリスの映像がスクリーンに映し出されたり、 血だらけのウサギが人体をバラバラに引きちぎったり。

そして、何よりも訳が分からないのが、 ラストでは、突然クリスがパンクロックのような曲を歌いだす。

これは、シルク・ドゥ・ソレイユのショーなのか、マジックショーなのか、それともコンサートなのか、 まとまりが全然感じられなくて、本当にがっかりでした。

実際、周りにもそう思っている人が多かったのか、 カーテンコールで、キャストが挨拶をしている最中に帰り出す人もいて、 隣のおばちゃんなんかは、上演中に「あ~ぁ」と声を出してあくびをしてました。

帰り際に、「これって、何か違うよね…。」って言っている人もチラホラ。

ただ、私が観たのはプレビューなので、本公演が開始されて色々と改善されいるかもしれないですし、 現在も上演されているのは人気があるからだとは思います。

私の個人的な意見としては、正直に言うとシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスを観たいという人にはお勧めしませんが、ラスベガスでマジックを観たいという人には楽しい作品かもしれません!

【スケジュール】

月曜日と火曜日は休演日。
水曜日から日曜日の19時30分と22時30分の一日2公演です。