デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)はピンク・フロイドの歌とギターを担当し、ソロ作品でも大きな評価を得ている、世界に名高いシンガー、ソングライター、偉大なるギタリストの一人。ソロ作としては1978年『デヴィッド・ギルモア』、1984年『狂気のプロフィール』、2006年『オン・アン・アイランド』(全英1位獲得。多くの国でトップ10入)とこれまでに3作リリース。2014年9月にはピンク・フロイドとして『永遠(TOWA)』をリリース。ギルモアはこの作品がバンドの最後の作品になると語りました。同作はイギリスをはじめ13ヶ国で1位を獲得。2015年9月に通算4作目のソロ・アルバム『Rattle That Lock』が発売されます。
デヴィッド・ギルモアとロジャー・“シド”・バレットは子供時代にケンブリッジで出会い、その後一緒にギターを弾くようになりました。1965年、シド・バレットがロジャー・ウォーターズ、リチャード・ライト、ニック・メイソンとともにピンク・フロイドを結成する一方、デヴィッドは一連の自身のバンドで活動を続けていましたが、1968年、デヴィッドはシドの精神的な問題でピンク・フロイドのシンガー兼ギタリストとして参加。その後シドはデヴィッドとはたった5回ギグを共にしたのみでピンク・フロイドを脱退しました。
デヴィッドのギター・プレイとソングライティングは、1970年代におけるピンク・フロイドの世界的成功の大きな要因となりました。中でもロック史上3番目に大きな成功を収めたアルバム『狂気』では、独特なヴォーカルとギター・プレイを披露しています。
1978年、デヴィッドは初のソロ・アルバム『デヴィッド・ギルモア』をリリース。同作は全英・全米チャートにランク・インした。2枚目のソロ・アルバム『狂気のプロフィール』は1984年にリリースされ、またも全英トップ20入りを果たしています。
1985年、ロジャー・ウォーターズがピンク・フロイド脱退。その後、デヴィッドがピンク・フロイドの主導権を握り、リチャード・ライトとニック・メイソンとともに1987年新生ピンク・フロイドとしての新作『鬱』を作り上げました。続いて1994年に『対(TSUI)』を発表。同作に収録されたインストゥルメンタル曲「孤立」はデヴィッドとリチャード・ライトが作曲したもの。この曲でピンク・フロイドとして唯一のグラミー賞を獲得しています。どちらの作品も全米・全英1位を獲得、ワールド・ツアーはソールド・アウトを記録。1995年にはライヴ・アルバムとビデオの『P.U.L.S.E.』が続きました。
1996年、ピンク・フロイドはロックの殿堂入りを果たし、2005年11月にはイギリスでも同様の栄誉にあずかります。2002年、ロバート・ワイアット監修のメルトダウン・フェスティヴァルに続き、デヴィッド・ギルモアはロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて仲間たちと3度のセミアコースティック・コンサートを行いました。この模様は『デヴィッド・ギルモア・イン・コンサート』としてDVD化されています。
デヴィッド・ギルモアは史上最高の偉大なギタリスト一人であり、その直感的で独特なサウンドにより、ギタリスト誌の人気投票ではジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンらを抑え「史上最高のフェンダー・ギター・プレイヤー」に選ばれました。デヴィッドは2005年には音楽への貢献を讃えられCBE(英国上級勲爵士)を授与されています。
2005年7月、ロンドンのハイド・パークで行われたライヴ8にて、ロジャー・ウォーターズと再び組み、ピンク・フロイドとして1回限りの再結成パフォーマンスを行ないました。
デヴィッド・ギルモアは2015年9月に9年振りとなる通算4作目のソロ・アルバム『Rattle That Lock』を発表。『Rattle That Lock』は2006年の『オン・アン・アイランド』以来およそ9年ぶり、通算4作目のソロ・アルバムとなります。デヴィッドとロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラが共同プロデュースを手がけ、歌詞はデヴィッドのライティング・パートナーを長年務めるポリー・サムソンが主に担当しています。またアルバム・ジャケットはピンク・フロイドの最新作『永遠（TOWA）』に続き、ヒプノシスのオーブリー・パウエルが担当。オーブリーのクリエイティヴ・ディレクションのもと、ザ・クリエイティヴ・コーポレーションのデイヴ・スタンスビーがディレクターを務めています。
また9月からスタートするヨーロッパ・ツアーは全公演ソールドアウトとなっていますが、新たに10年ぶりの全米ツアーとなる「David Gilmour Live2016」の開催が発表されました。2016年3月・4月に行われる同ツアーのチケットは全公演7月17日（金）に発売されます。デヴィッド・ギルモアにとっては2006年の『On An Island』ツアー以来のワールド・ツアーとなります。