生きているうちに絶対行きたいと願っていたウッドストックの開催地で大好きなイーグルスを観た 浜脇 孝巳(サイト責任者)

僕が16歳(高校1年)の1970年7月の暑い日に古い映画館に入りました。そこで上映されていたのが「ウッドストック/愛と平和と音楽の3日間」でした。

これは1969年8月15日から17日までの3日間、ニューヨーク州サリバン郡ベセルの丘で開催され観客40万人を集め、今や伝説となった野外コンサート「ウッドストック・フェスティバル」の模様を記録したドキュメンタリー映画です。

スクリーンに映しだされる野外コンサートのステージで、演奏を繰り広げるアーティストは、どれもが初めて見る人達ばかりでした。カルロスサンタナの官能的なギター、ザ・フーのギター、ピートタウンゼントの腕をグルグル回しながらジャンプするパフォーマンス、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの今まで聞いたことのない複雑で美しいコーラスワーク、スライ&ファミリーストーンの観客と一体になったダンスミュージック、最後に登場するジミ・ヘンドリックスの空前絶後なギターテクニック。次から次へと出でくるアーティストのあまりの素晴らしさに、思わずスクリーンに目が釘づけになっていました。3時間があっという間に過ぎて映画館を出たころには、その圧倒的な音楽のパワーに、体中に電気が通ったくらいのショックを感じていました。16歳という一番多感で影響を受けやすい年頃だったのでしょう。それからはロックにのめり込んでいきました。今は自称「ウッドストック・ジェネレーション」を語っています。

前置きが長くなりましたが、そのウッドストック・フェスティバルが開催されたベゼルウッドに、2008年「ベゼルウッド・センター・フォー・ザ・アーツ」が造られ、その中には、15000人収容できる「パビリオン(野外ステージ)」と「ミュージアム」があります。ミュージアムには1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルに関する資料、フェスティバルの企画書の原本、60年代のヒッピーカルチャー、社会情勢、出演アーティストのビデオ上映、お土産ショップがあります。

「ウッドストック・ジェネレーション」を標榜するからには、ベゼルウッドは死ぬまでに訪ねてみたいところでした。2014年7月25日に、ここでイーグルスのコンサートがあると知って、小躍りして喜びあわててチケットを手配しました。とはいえマンハッタンからくるまで4時間はかかる田舎です。アクセスが問題と悩んでいたら、HPに当日貸切バスがマンハッタンから出ると知り、サイトから予約しました。25日の14時に、ポート・オーソリティ・バスターミナルからバスが出る予定なので、30分前に乗り場に行ってみるとすでに中年の男女が10人くらい集まっていて、中にはイーグルスのTシャツを着ている人もいて、すぐにここから出発と分かりました。しかし予定時間の14時なってもバスが来ません。結局1時間遅れでなんとか出発。ここはアメリカですから、遅れるのは日常茶飯事です。

ベゼルウッドについてミュージアムを見学したあと、パビリオンに移動して、いよいよイーグルスのコンサートです。このパビリオンの回りは芝生で囲まれていて、ピクニック気分で演奏を楽しめます。20時にコンサートがスタート。休憩を挟みコンサートが終わったのが23時。バスを降りた地点に戻って待ちましたが、バスが迎えに来る気配が全くありません。時間も深夜24時を過ぎてもバスは姿を見せません。バスの乗客が集まって付近を探しても見つからないのです。そのうち乗客の一人がバス会社と連絡を取り下の駐車場で我々を待っていることが判明。下の駐車場までぞろぞろと降りていくとバスがいました。やっとの思いで乗り込んで出発したのが深夜1時。ホテルに着いたのが明け方の5時でした。

生きているうちに絶対に行きたいと思っていた、憧れのウッドストック開催地で、しかも大好きなイーグルスを観れて感無量でした。2014年のスケジュールも、ボストン、ジェームス・テイラー、クロスビー・スティルス&ナッシュ、ジョン・フォガティ、ディッキー・ベッツ等往年のロックースター、グループが数多くベゼルウッドに出演しているので、ぜひまた行ってみたいと思ってます。