生きる伝説ロッド・スチュワートの、レジェンドなコンサートをラスベガスで観た 浜脇 孝巳(サイト責任者)

僕がロッド・スチュワートを始めて観たのは、1974年の武道館での、ロッド・スチュワート&フェイセズのコンサートでした。その時のベーシストは日本人ベーシストの山内テツで、酒場の匂いとトラッドの薫が同居するなか、どこかB級バンド臭かったりするのがこのバンドの魅力でした。

それ以来ロッド・スチュワートのヴォーカリストとしての魅力に憑りつかれフェイセズが解散したあとに発表された、ソロアルバムを買っては、聴き込んでおりました。特に1971年に発表され、英米チャート共に同時1位という快挙を成し遂げた、3rdソロ・アルバム「エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」や5rdソロアルバム「アトランティック・クロッシング」は大の愛聴盤でした。

2002年から2005年にかけては、スタンダード・ナンバーをカヴァーした『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック』シリーズ全4作が全米だけで 830万枚の大ヒットになり、全世界で2000万枚以上のセールスを記録し、劇的な復活を果たしました。

そのロッド・スチュワートが現在ラスベガス、シーザース・パレスのコロッシオでのショー「HITS」を定期的に行っています。シーザス・パレスではロッドの他に、セリーヌ・ディオン、マライア・キャリー、エルトン・ジョン、エンリケ・イグレシアス等の大物アーティストが、順番に定期公演を行っています。コロッセオは、客席数4000席のシアターで、内部は3層構造になっており、1階席は "オーケストラ・レベル"、2階席は "ファーストメザニン"、3階席は "セカンドメザニン" とそれぞれ呼ばれています。ステージから最も遠い席でも約36mと、どの席から観ても大変観やすいシアターです。

40年ぶりにロッド・スチュワートのコンサートを観たくなり、2014年に「HITS」を観てきました。「HITS」は「マギー・メイ」「ホット・レッグス」「ユー・ウェア・イット・ウェル 」「ユー・アー・イン・マイ・ハート」「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」等そのタイトル通り、ロッドのヒット曲がキャリア順に披露されて、ファンとしては大変満足の行く内容でした。コンサートの中盤で歌われた「ホット・レッグス」では、サッカーが大好きなロッドらしく、歌いながらサッカーボールを観客席に蹴り込むいう、ファンサービスの演出もあり、会場は大盛り上がりでした。僕は2階席の最前列の席だったので、席に着いた時係員から、危険なのでボールが来ても身を乗り出して取りに行かないようにと注意されていたので、近くにボールが来ても席を立たずに観ていました。

ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」に選ばれ、独特のしゃがれたハスキーボイスの持ち主で、そのヴォーカルスタイルは同時代のロックミュージシャンに多くの影響を与えたロッド・スチュアートですが、72才になる現在でも、全盛期と変わらないエネルギッシュな素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたことに感動いたしました。観客のノリも日本とは違い、わざわざラスベガスまで足を運んで本当に良かったです。